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素人会の素謡、連吟に出られた経験をお持ちの方で、特に参加経験の少ない初心者の方は退出時のお作法がうろ覚えのままになっているかも知れません。
本来、素謡は無本が原則ですが、ここでは見台を使う場合の作法について説明致します。また、参考図では10名が3列に並ぶ場合を想定しています。
お仕舞と同じように、舞台上では謡以外で声を出すことは厳禁です。

(1) 見台を並べる
参加者が舞台の準備を行う場合、見台の並べ方に注意してください。
中心を目付柱と笛柱の対角線から少し左側にそれた位置に置きます。すなわち、中心はやや正面寄りにずれた感じになります。時々、見台を目付柱のすぐ手前から並べる方がいらっしゃるのですが、これは間違いです。大人数の場合を除いて、ワキ柱とシテ柱の対角線前後を前列にすると良いでしょう。

(2) 舞台に入る
下図「舞台に入る」をご覧ください。番号は切戸口から出る順番です。


まず、謡本と扇を持って出ることを忘れないでください。
謡本を懐に入れて出る方もおられますが、襟が乱れやすいことと、女性の着物では実際的な方法ではないことから、男女問わず左手に持って出るのがよいでしょう。
扇は腰の左側に挿します。男性は袴の下の角帯にはさみ(写真 1)、女性は着流しの場合は帯にはさみます。
最前列左端より見台の前に順次座ります。

(3) 座ってからのお作法
舞台に入ったら見台の前に座って、まず最初に謡本を見台に置いて謡う箇所を開けてください(写真 2)。
次ぎに右手で扇を抜き(写真 3)、右側に置きます。
ここからは出演者一同、揃えて所作を行うときれいに見えます。右手で扇の真ん中を持ちます(写真4)。
右手で持った扇を床に滑らしながら、左膝の当たり出した左手で受けます。このとき、扇は持ち上げないで床に滑らせてください。
このとき、扇は右側が要になっています。右手を扇の要まで戻し、扇から手を離して、両手を腿の上に乗せます。
謡わないとき、女性はこのまま腿に手を乗せたままですが、男性は袴の中に手を入れます。
謡う三句前で両手を出し、二句前で扇を取ります。扇をとる場合、両手同時に左手は扇の先に添え、右手はかなめを握り、腿に乗せます(写真 5)。
自分の謡う箇所が終わるとまた扇を床に置き、謡う箇所の始まる前に扇をとる、というこの所作を繰り返します。
謡がすべて終了したら、扇を両手で置き、右手で扇の真中を持ち、右に回し扇を腰に挿し、謡本を閉じます(写真 6)。

(4) 舞台から出る
下図「舞台から出る」をご覧ください。番号は切戸口から出て行く順番です。

左手に謡本を持ち、右側に両手をつきながら(写真7)、身体の位置を右に向けて、右膝を床につき順番を待ちます(写真8)。
前の人が立ち上がってから、立ってください。戻る順番は、今度は最後列からになります。出るときと同じように静かに退出しましょう(写真 9)。

写真1写真2
写真3写真4
写真5写真6
写真7写真8
写真9
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