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老女物の継承
―『檜垣』を謡う心意気―
                         粟谷明生


伊勢神宮の内宮は2000年以上の歴史がありますが、神殿は20年毎に建て替えられ、これを「遷宮」と呼んでいます。
この行事は1300年も続き、来年62回目を迎えますが、神殿の修復もさることながら、実は神殿造りに携わる職人達の技術伝承が途絶えないように、というねらいもあるといいます。

粟谷能の会・研究公演の『檜垣』は、前回(昭和62年シテ・友枝喜久夫 地頭・粟谷菊生、笛・一噌仙幸、小鼓・北村治、大鼓・柿原崇志)の演能から、実に24年ぶりとなります。遷宮と同様、演能もあまりに時間が経ち過ぎては、よりよい継承が出来なくなる、と考えて、今回の企画をしました。

神殿造りの職人と能楽師、敢えて両者に違いを見出すならば、神殿造りの職人に新工夫や創作は不要で、受け継がれてきた建造技術を体得して、20年前と同じものを復元することが課題となるのでしょう。一方、能楽師は、前回の公演を参考にしながらも、演じる者が、それぞれに自分なりの舞台、今の時代に似合う演能スタイルを心掛けるべきだと、私は思っています。

そこで、今回の『檜垣』の演能での新たな試みを、ご鑑賞の参考になればと記載します。

1,二の同音「理を論ぜざる、いつを限る習ぞや」「老少といっぱ分別なし替わるを以て期とせり」の間に打ち切りを入れて、この部分の主張を強調。

2,通常、次第は同じ和歌を二度繰り返し、その後に地取りとなるが、『檜垣』は「釣瓶の水に影落ちて袂を月や上るらん」と一句のため、地取の中止。

3,動きの少ないクセの部分に、友枝昭世氏に新たに動きを入れてもらう。

4,最後終曲は、一般的には、残りトメ(謡が終わったあとに囃子方だけで一クサリ、演奏するやり方)だが、今回は敢えて、「罪を助けてたび給え」と地謡で謡い切り、その余韻を強調。

粟谷能の会・研究公演の『檜垣』。24年ぶりの老女物の継承と私たちの課題である「地謡の充実」のために、力を尽くして舞台を創り上げたいと思っています。

D席となりますが、当日売り(12月2日午後6時開演)はまだございますので、ご来場をお待ちしております。
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